私は、自由民主党福岡市議団を代表し、

・農山漁村地域における観光振興と地域活性化について

・子ども医療費の助成拡大について

以上2点について、質問いたします。

【農山漁村地域における観光振興と地域活性化について】

まず、「農山漁村地域における観光振興と地域活性化」について質問致します。

福岡市は、博多湾を抱きかかえるように、東は志賀島、西は今津、北崎、そして、南は早良区の板屋、脇山と、豊かな自然環境を有する農山漁村地域がアルファベットのYの字のように分布しています。そのYの字の中心に天神、博多駅があり、そのYの字の先端にあたる三地区は、人口減少が激しく,急激な過疎化が進んでいます。9月議会で我が会派の川上晋平議員が東区の志賀島をとりあげ,周辺部地域の活性化について、質問致しましたので、私は、西の今津、北崎について,質問してまいります。

福岡市西区には、西部7校区と呼ばれる地域があります。今宿、今津、北崎、玄洋、周船寺、元岡、そして、西都校区です。この西部7校区は、大変美しい海岸線と緑の山並みを擁する自然環境に恵まれた地域であり、また、農業、漁業が盛んな福岡市でも有数の生鮮食料品の供給地になっています。また、この豊かな田園地帯に、平成30年10月に「九州大学」が移転を完了し、新たなまちづくりも進んでいます。今では、多くの学生や教職員が行き来するまちとなり、これからも学術研究都市として、大きく変貌していくことが期待されています。

しかし一方で、西部7校区のうち、今津や北崎校区は、高齢化の進展や人口減少が著しく、地域の主な産業である農業、漁業が停滞するどころか、「この先、地域コミュニティの維持すら困難になる!」と、地域住民の皆さんも大変な危機感を抱いております。
農山漁村地域の活性化を考えるとき,この地域の魅力は何なのか?が重要です。それは,都市部にはない、美しい海や緑といった豊かな自然。そして,このような自然環境に身近に触れることが出来る!という事ではないかと思います。
このような自然環境は貴重な観光資源です。この農山漁村地域の豊かな美しい自然環境を上手く活かしていくことが、福岡市の観光振興において重要なポイントとなるのではないかと考えます。

 

  1.  問1そこではじめに、福岡市は、農山漁村地域の現状をどのように認識し、どのような取り組みを進めているのか、お尋ねします。
    (総務企画局:回答骨子)
    ○ 福岡市は,高度な都市機能が集積する都心部を豊かな自然が取り囲むコンパクトな都市として,国内外から高い評価を受けており,農山漁村地域は,このような福岡市の魅力や特性を維持・向上させていく上でも,大変重要な役割を担っていると考えている。
    〇 一方で,農山漁村地域は,人口減少や高齢化の進展等に伴い,農林水産業の振興やコミュニティの維持など,様々な課題を抱えていると認識しており,規制を緩和した開発許可制度の活用などにより,民間事業者のチャレンジを促しながら,定住化の促進や農林水産業,観光業といった地域産業の振興を図るなど,関係部局が連携し,地域と一体となって活性化に向けた取組みを進めている。農山漁村地域の重要性については、十分認識頂き、その活性化に向けて、地域住民と一体となって取り組んでいるとのことです。そして、特に地域産業の振興については、数年前に市街化調整区域の土地利用規制が緩和され,その緩和された制度を活用して民間事業者の進出を促す取り組みも行われています。
  2.  問2 そこで、規制緩和を活用したいという民間事業者からの相談件数や進出意向の多い地域、さらには、制度の活用状況はどのようになっているのか、お尋ねします。
    (総務企画局:回答骨子)
    ○ 地域産業の振興を目的とした土地利用の規制緩和については,地域住民の合意など一定条件のもと,地域の農林水産物や観光資源を活かした飲食店,宿泊施設等の建築を可能とするものであり,平成28年6月より運用を開始している。
    〇 これまで,民間事業者の意向調査や,地域住民と民間事業者の対話の場の設定など,民間活力の導入に向けた取組みを進めてきた結果,
    ・民間事業者から事業展開に向けた具体的な相談が54件あっており,
    ・うち,北崎校区が16件,志賀島校区が15件とその大半を占めている
    ・相談のあった54件のうち,規制緩和の手続きまで完了したものが4件で,志賀島の勝馬校区にある農業研修施設,北崎校区の宿泊施設の2件が供用を開始している。今の答弁をお聞きすると、農山漁村地域の中でも、特に、美しい海岸線、海辺に面した「北崎」や「志賀島」が民間事業者の関心が高い地域になっています。
    これは、北崎や志賀島が、「国内外からの旅行者に楽しんでいただける場所」としてのポテンシャルを秘めているということではないかと思います。そこでまず、西部7校区のなかでも、とりわけ人口減少や高齢化が著しい一方で、民間事業者の関心が高い地域、「北崎」の観光資源について取り上げてみたいと思います。北崎には福岡市の公共施設である「海づり公園」があります。博多湾に面した場所にあって、景観も素晴らしい。家族でのんびりできる魅力的な空間になっています。例年11月からは、海づり公園の広場を利用し、唐泊恵比須牡蠣の「牡蠣小屋」がオープンします。その期間だけは多少賑わいますが、その他の時期はあまり人が集まってないように感じます。牡蠣小屋の横にはバーベキューが出来る施設もありますが、人が入っているのをほとんど見た事がありません。
    一方、この「海づり公園」と対照的なのが、隣にある民間施設です。この飲食店は、1年中、常に人が溢れています。
    海を見渡す浜辺には、写真撮影したくなる「椰子の木のブランコ」があり,多くの若者が集まって楽しむ、今流行りのインスタ映えする大変な人気スポットになっています。
    この飲食店のように、「海づり公園」も、もっと、この美しい自然環境を活かし、釣り客だけでなく、多くの人たちが集まり、憩える場所となるよう、工夫していく必要があるのではないかと思います。極端に言えば、牡蠣小屋やバーベキュー施設を民間に任せるというのも一つの手ではないか?と思います。
    「海づり公園」では、地域住民の協力を得ながら民間事業者も参入し、様々なイベントを実施されています。
    今年度は「キタザキ・マルシェ」と銘打ち、10月に開催された秋のイベントには、私も参加させていただきましたが、今までのイベントより、盛況だったと感じております。
  3.  問3 そこで、この海づり公園でのイベントは、どのような目的で行っているのか、また、秋に開催されたイベントの概要について,お尋ねします。
    (農林水産局:回答骨子)
    ○目的 北崎地区の特産品など地域の様々な魅力を広く発信することで関心を高め、集客につなげるとともに、同公園への民間事業者の進出を促すための社会実験として取り組んでいる。
    ○秋イベントの概要
    ・かき小屋のオープンの1週間前に、北崎校区のご尽力により、地域の食の魅力を発信する「唐泊恵比須かきや西の浦鯛飯など」約300食の試食会を開催
    ・かき小屋の建物を有効活用し、地元の農産物や干物の販売のほか、地元の方の指導によるワラや竹を使った昔の遊び道具づくりを実施・花の産地北崎をPRするため、「フラワーアレンジメント教室」や「花の植栽」を行うなど、地域と連携した魅力発信の取り組みを実施地元の尽力によりイベントが行われたことは判りましたが、より一層、北崎校区が主体となって、農林水産局が協力するという形にならなければ、地域住民にとって、いつまで経っても「協力しちゃりよう!」という気持ちが抜けないのではないか、と思います。
    また、いくらイベントの内容が素晴らしくても、多くの人に来てもらわないと何の意味もないわけであります。
    「北崎」という地域を、その魅力を、市内外の多くの方々に知っていただく、そういう意味では、事前の周知広報が大変重要になります。
  4.  問4 そこで、今回のイベント開催にあたり、どのような広報活動を行ったのか、お尋ねします。
    (農林水産局:回答骨子)
    市政だよりや市ホームページ、ツイッターへの掲載や、新たに北崎地区ポータルサイトを開設するなど、SNS等の活用による情報発信を行った。
    ポスターやチラシを作成し、西部7校区の各公民館や市民センター等公共施設のほか、新聞折込みでも配布するなど、紙媒体とインターネット媒体、双方を活用し広報に努めた。
    イベント実施にあたっては、周知広報が大変重要であると考えており、今後とも広報についての検討を進めていく。今後は、海づり公園でのイベントについても,地域をあげた継続的な取組みとなるよう、農林水産局の主催ではなく、地元の住民や団体がより主体的に運営する仕組みや工夫が必要ではないかと思います。さて、海づり公園でのイベントは、ただイベントをすることが目的ではなく、多くの集客を図り、民間事業者の進出を促すという目的があるわけです。そのためには、参加者の意見をしっかり把握し,今後につなげていくことが重要だと思います。
  5.  問5 そこで、今年開催した秋のイベントでは、参加者へのアンケート調査を実施したと聞いていますが、その結果はどうだったのか、また、イベントの成果はどのようなものであったと考えているのか、お尋ねいたします。
    (農林水産局:回答骨子)
    〇 今回の秋のイベントには2日間で延べ約1500人の来場者があり、アンケート調査へのご協力をお願いした。
    【アンケートの集計結果】
    ・イベントの満足度において、「満足」と「やや満足」を合わせると約80%の方が満足したと答えられている。
    ・「次回もイベントに参加したいか」の問いについては97%の方が「また参加したい」とのお答えをいただいた。
    ・「北崎地区を知ってどんなところが魅力と感じたか」との問いに対し、海産物、農産物、海釣りや花に魅力を感じるとの回答が数多く寄せられた。
    〇 今回のイベントにより、北崎の魅力を一定程度発信できたものと考えており、今後とも北崎地区の住民や団体と共働し、より一層効果的な魅力発信に努めていく。この海づり公園でのイベントが、地域にとって好循環を生み出すことができるよう期待しております。
    また、北崎には、「海づり公園」や「牡蠣小屋」といった集客施設に加え、西の浦に隣接する糸島半島の、「夫婦岩」がある二見ヶ浦海岸周辺は、福岡県内でも指折りの風光明媚な景観が保全され、話題の人気スポットとして、年間を通して多くの観光客が訪れます。この海岸周辺は、福岡マラソンの目玉コースにもなっていますが、近年は、糸島ブームもあり、観光客の数も急激に増加しています。
    糸島市域内の二見ヶ浦海岸沿いは、自然景観に配慮した舗装の歩きやすい歩道が整備され、ベンチに座り「夫婦岩」をゆっくり眺めることができる。そんな自然景観を活かした道路空間が整備されていますが、福岡市域の北崎側に入るとどうか?
    途端に、通常の昔ながらのアスファルト舗装が続く道となり、残念な思いをします。その違いは明らかです。また、観光客の多くは、バイクや自動車で「二見ヶ浦」を訪れるのですが、夏だけでなく、春や秋も、天気が良い日は、多くの観光客が集まり、ひどい交通渋滞が発生しています。
    この交通渋滞は、地域で暮らす住民をも悩ませる大きな問題になっています。このように、「二見ヶ浦」は既に、人気の観光スポットではありますが、風光明媚な自然景観をしっかり保全しながら、また、地域住民の暮らしを守りながら、観光振興を持続的なものとしていくためには、観光客の増加による交通混雑への対応や道路空間の景観づくり、分かりやすく適切な観光案内が必要ではないかと考えます。今の二見ヶ浦から西の浦にかけての地域は,国内外から観光客を受け入れていく環境として、十分とは言い難いと感じています。
  6.  問6 そこで、福岡市は、二見ヶ浦エリアの観光の現状と今後の取り組みについてどのように考えておられるのか、お尋ねします。
    (経済観光文化局:回答骨子)
    〇 二見ヶ浦周辺エリアは,海辺の魅力が豊富であり,夫婦岩をはじめとした写真スポットやカフェなどに国内外から多くの観光客が訪れているが,それに伴う交通混雑などの課題も発生している。
    ○ 今後,関係局と共に二見ヶ浦周辺の交通混雑の対応を図るとともに,二見ヶ浦の集客を北崎地区に広げるため,写真に撮りたくなるような海辺の魅力向上や,情報発信を行う立ち寄りスポットづくりなどに加え,海づり公園などの観光スポットを巡る周遊促進が必要だと考えている。答弁いただいたように,二見ヶ浦周辺の海辺には、魅力的な観光資源があり、これらを活かして、観光振興にしっかり取り組んでいただきたいと思います。
    また、海水浴客も観光振興の重要な一つの要素だと考えます。そこで、海上の安全性の確保という問題があります。
    近年、特に、海水浴シーズンにおいて、水上バイクやプレジャーボートがルール、マナーを守らず、衝突事故が起こるなど、問題になっています。
    この問題については、福岡県議会でも取り上げられ、県内海水浴場での水上バイク規制等が議論されたところでありますが、福岡県でもしっかり研究されるものと伺っております。
    そこで,福岡市でも、市内の海辺を楽しむ市民や観光客の安全、そして、安心を確保するため、
  7.  問7 水上バイク等の規制やルールづくりの検討を是非進めていただきたいと、強く要望しておきます。
    また、先ほど、二見ヶ浦へのアクセスはバイクや自動車が中心であると申し上げましたが,唯一のバス路線として昭和自動車が運行する西の浦線があります。
    この西の浦線は、平成20年に路線廃止の申し出がなされました。関係者が協議を行い、運行継続とはなりましたが、利用者の減少は止まらず、バスの運行は危機的状況にありました。このような中、最近は、観光客の増加もあって、利用者が増加してきていると聞いています。今年7月には、バス路線の延伸まで行われました。これは、観光客の増加が地域の唯一の生活の足である路線バスの維持に、そして利便性の向上にも、一役買っていると言えます。農山漁村地域では、地域の貴重な観光資源である景観や食を最大限に活かしながら、地域の活性化につながる持続可能な観光施策をしっかり進めて頂きたいと思います。「北崎」の観光振興、そして、地域活性化を考えるうえで、避けては通れないもう一つの大きな課題があります。光通信回線の整備です。
    近い将来、「5G」や「IoT」が当たり前となってくるような現代社会において、北崎地区には、「光」が来ていない。
    「北崎」は、福岡市内の離島を除く地域では唯一、光通信回線が整備されていない地域です。一方で、「北崎」は、九州大学が隣接している地域なのです。この問題については、私は随分前から再三、訴えてきたところです。
    これからの社会において、通信環境の充実は必須であります。
    店舗はキャッシュレスが進み、農業もスマート農業の時代です。
    観光や農業の振興といった地域産業の活性化や地域課題の解決には、高度な無線環境が有効であり、そのバックボーンとして、光回線など通信インフラの充実は欠かせないのではないかと思います。
    私は、北崎地区への光回線の整備について、平成28年の12月議会で質問致しましたが、当時の答弁は、通信事業者に対して、積極的な働きかけを行っていくとのことでした。
  8.  問8 そこで,通信事業者との協議はどのような状況なのか、また、行政として、今後この問題をどのように考えていくのか、お尋ねします。
    (総務企画局:回答骨子)
    〇 北崎の光回線整備については,通信事業者への働きかけを継続しているところだが,いずれの事業者からも,事業採算性の観点から,民間単独の整備は難しい旨の回答をうけているところ。
    〇 しかしながら,ご指摘のとおり,通信インフラの充実は,生活の質の向上はもとより,北崎の産業活性化や地域課題の解決のために必要と認識しており,令和2年度の予算編成の中でしっかりと検討していく。通信インフラの充実は、重要な課題であると認識頂いているようなので、令和2年度予算、来年度の予算において、しっかり検討していくということで期待しております。
    福岡市では、昨年「観光振興条例」が議員提案により制定されました。来年4月からは、宿泊税も導入されます。
    この「観光振興条例」の第8条には、「国内外からの旅行者の来訪促進を図るため、地域の食、歴史、文化、自然その他の観光資源の魅力の増進及び新たな観光資源の発見、国内外に向けた魅力の発信、その他の必要な施策を講ずるものとする。」と書かれています。農山漁村地域の豊かな自然環境や新鮮な食材は、「まさにこの8条で言うところの貴重な観光資源である」と思います。
    特に、二見ヶ浦を含む北崎地区については、「海釣り公園」や「夫婦岩」、フォトスポットとなった民間施設、また、今津にある元寇防塁などを活用しつつ、豊かな自然環境と景観を有する海辺を活かしていけば,国内に誇れる魅力的な観光資源が生まれるものと考えます。
    もちろんこれは「北崎」だけの話ではありません。福岡市内には、海や山などの自然環境に囲まれ,美しい景観を有する地域は数多くあります。
    例えば,東の「志賀島」には、「金印」や「志賀海神社」、「蒙古塚」など、貴重な歴史資源が沢山あります。
    また、右手には玄界灘、左手には博多湾が見渡せる、国内でも珍しい風景の「道切り部」など、観光資源になりうる美しい自然の風景と歴史資源があります。
    これらをもっと活かせば、観光振興によって、農山漁村地域の真の意味での活性化を図ることが出来るのではないかと思います。ここまで、農山漁村地域の活性化について、海辺を活かした観光振興の観点から縷々質問して参りました。9月議会では、我が会派の川上晋平議員が、「都市の成長が順調に進んでいる今だからこそ、農山漁村地域などの周辺部地域にも、必要な投資を行っていくべき。」という質問を致しました。
    高島市長は、市政運営にあたり、「都市の成長と生活の質の向上の好循環を確固たるものにしていく。」と仰ってます。
    「スタートアップ」や「天神ビッグバン」そして「博多コネクティッド」など「都市の成長」については、素晴らしい成果をあげつつあります。
    次は,この「成長の果実」を市内隅々まで浸透させ,福岡市全体として,「生活の質の向上」に取り組んでいく時期に来ていると思います。
    そこで、周辺部地域といわれる農山漁村地域にもう一度「光」を当て、豊かな、美しい自然環境を最大限に活かした観光振興に取り組んでいってはどうかと思っています。これこそがまさに、「成長の果実」を隅々まで行き渡らせる、そして、市民の「生活の質の向上」を実現していく施策となるのではないかと考えます。
  9.  問9 そこで,北崎や志賀島をはじめとする農山漁村地域の魅力を最大限活かした観光振興と地域の活性化について、今後どのように取り組んでいかれるのか、高島市長のご所見をお伺いし、この質問を終わります。

 

【子ども医療費の助成拡大について】

次に、「子ども医療費の助成拡大」について、質問致します。

福岡市の子ども医療費助成制度は、市民並びに本市議会からの要望を踏まえながら、段階的に拡充されてきました。

現状では、入院医療費は、0歳から中学校3年生までが無料に、また、通院医療費については、3歳から一部自己負担があるものの、小学校6年生までが助成対象となっています。

ここで特筆すべきは、中学校1年生から3年生までの入院医療費であり、「現状では福岡県からの補助がない中で、福岡市独自に助成制度を設けている!」ということです。

保育の受け皿づくりや担い手の確保についても同様ですが、子育てしやすい環境づくりに向けて、真摯な取り組みを頂いてきた高島市長以下、関係局のご尽力に、まずは敬意を表する次第です。また、子ども医療費助成に関しても、高島市長は、福岡県や小川知事本人に対して積極的に、粘り強く交渉されてきました。

そのような中、私ども自由民主党福岡市議団は、去る12月2日に、福岡県議会を訪問し、栗原渉福岡県議会議長や自由民主党福岡県議団の幹部に対し、子ども医療費助成制度の拡充に向けた支援をお願いするため、要望書を提出してまいりました。

先ほど述べた通り、福岡市では、中学校1年生から3年生までの「入院」医療費を市が単独で助成している状況ですが、これを「通院」医療費まで拡充していくためには、福岡県からの財政支援の可否が大きな鍵を握るところであり、この点について、福岡県議会並びに自由民主党福岡県議団の後押しを求めるのが、先だっての要望活動の趣旨でありました。

その後、去る12月6日の福岡県議会代表質問において、同県議団が、小川県知事に対し、子ども医療費助成の拡大を要望し、小川知事が極めて前向きに応じたと伺っています。

  1.  問1 そこで、県議会の議場におけるやり取りについて、福岡市として把握されている状況をお尋ねします。
    (保健福祉局:回答骨子)
    〇 12月の福岡県議会では,子ども医療費に関する質問に対し,県知事より
    ・令和3年度から助成対象を,入院,通院ともに中学校まで拡大する。
    ・中学生については,政令市も含め,県内市町村は一律に1/2の補助率にする。
    と答弁されたものと承知している。答弁頂いた通り、政令指定都市や一般市町村の区別なく、「2021年度、つまり令和3年度から、中学生の医療費に対して、福岡県が2分の1を新たに助成することを検討する。」というのが、自民党福岡県議団に対する福岡県知事の答弁概要のようです。
    さて、ここに至るまでには、高島市長をはじめ市当局において、様々な努力を積み重ねてきたと思います。今年5月には、高島市長と小川県知事によるトップ会談が行われ、宿泊税及び医療費助成制度に関する合意がなされました。その合意の内容は、「医療費助成制度のあり方について、引き続き協議を進める。」という内容だったと記憶しています。
  2.  問2 そこで、福岡市においては、これまで、子ども医療費助成制度について,福岡県とどのような協議を行ってこられたのか,お尋ねします。
    (保健福祉局:回答骨子)
    〇 子ども医療費助成制度については、県費補助の格差是正に向けて,様々な機会を通じ,要望をおこなってきた。
    〇 特に今年度は,5月のトップ会談において,「政策調整のための協議に関する合意書」を締結。
    〇 合意書に基づき,鋭意,実務者協議を重ね,10/24に副市長から副知事へ補助率の引上げ及び補助対象の拡充について要望を行うなど,積極的に働きかけを行ってきた。高島市長や市当局が、様々な機会を捉えて要望活動など、行ってきた結果、子ども医療費助成制度について、一定の成果が得られたことは、大変評価したいと思います。さて、このような状況を受け、福岡市でもいち早く、子ども医療費の更なる助成拡充に向けた検討を行って頂きたいと思っているところですが、ここで、
  3.  問3 現在、福岡市の中学校1年生から3年生までの子ども医療費助成のための年間執行額はどの程度なのか、また、新たに通院医療費にまで拡大した場合の新たな財政負担をどのように見込んでいるのか、お尋ねします。
    (保健福祉局:回答骨子)
    〇 中学生に対しての子ども医療費助成については,現在,入院のみを助成対象としており,現状,中学生の入院のみで平成30年度決算額で約8千万円。
    〇 通院の助成額は,平成26年度の試算によると自己負担がない場合で約7億7千万円。決して小さくはない額ですが、福岡県からの2分の1の補助が得られる見通しとなったことは、大きな後押しになるものと思います。
    私ども自由民主党福岡市議団では、平成31年度、つまり令和元年度の政策要求において、中学校3年生までの通院医療費助成の拡大を市長にもお願いしており、その点、私たち自身も汗をかくべきであるとの考えから、様々な場面をとらえ、福岡県議会への後押しを求めてまいりました。
    今回、高島市長をはじめ市当局と市議会が共に行った要望活動が一つの実を結んだことを喜びたい気持ちと同時に、福岡市が、さらに子どもを産み育てしやすいまちとなるよう、しっかり取り組んでいきたいと考えています。
    私どもとしては、長年の懸案でもある乳幼児及び学童の医療費に対する福岡県の補助率4分の1が、他の市町村同様に2分の1となるように、今後も福岡県議会への根強い要望を続けていく考えであることも、申し添えておきます。
  4.  問4 そこで、高島市長におかれましては、これまでの子育て環境の充実のご努力をさらに推し進める観点からも、福岡県政における子ども医療費助成の拡大方針をきっかけに、福岡市での中学校3年生までの通院医療費助成を早急に実現して頂きたいと考えますが、最後に市長のご所見をお伺いし,私の質問を終わります。